作者
2026年10月24日
水深800m。死んだ鯨の骨は、深海に何十年もかけて生態系を育てる「庭」になる。観測プログラムはとっくに終了したのに、深海ロボットは鯨の骨を見守り続けている。やがて骨にはイソギンチャクが咲き、カニや魚が集まる庭になる。ロボットの外殻は傷み、ライトは弱くなる。最期、ロボットは頭骨の隣に自らを停め、残った光をゆっくりした点滅に切り替える。光に小魚が集まる。鯨の骨とロボットは、どちらもイソギンチャクに覆われて、区別なく一つの庭になる。